* * *
手をひかれたまま辿り着いたのは、騒がしい体育館とは反対に静寂に包まれた図書室。
私と椎名くんが、初めて言葉を交わした場所。
「お前……なんだよ、あの絵は」
「……えっ?」
「正木はすげぇ美化してんのに、オレはあんな顔なわけ?」
「……っ、」
もしや、私のお手製名簿を見られた……?
視線を泳がせる私に、眉根を寄せた椎名くん。
その視線から今度こそ逃げるように窓辺に立つ私は、足元を見ようとしたーーーその瞬間。
「きゃっ……、」
椎名くんの腕が私の背中に伸びてきて、小さく悲鳴をあげたと同時に、その胸の中へと引き寄せられた。



