………だから。
「……椎名くんの声を聞かせてほしい……。苦しいなら、苦しいって。悲しいなら、泣いてもいい……私の声を、聞いてくれたように、私も……椎名くんの、声をーーー」
ーーー“お前の言葉は、オレには優しく響いたよ”
その言葉が蘇って喉の奥が熱くなる。
胸が苦しくて……。
霞んでいく視界と同時、涙が溢れだす。
「………な、なに泣いてんの?」
「ヤバイって!不気味ちゃんの涙はこの場にいる全員を呪う力があるって……」
「てか、何言ってるか全然聞こえないんだけど」
「本当に聞こえないのか?」
「………えっ?」
「オレには、聞こえるけど?」
その声と同時。
罵声もブーイングの嵐もピタリと止んで。
伏せるように足元を見つめていた私は、ゆっくりと、顔を上げる。



