「椎名楓くんは………、」
意を決して私がマイクを通せば、ざわついた体育館が静まり返る。
「クール王子と呼ばれていて、毎日毎日、告白をされて、みんなの人気者です……」
わかりきったことを言う私に溺愛同盟の皆様がブーイングを飛ばした。
「だけど……」
ーーー“告白したいヤツがそこにいるんだろ”
重く沈んだ心を軽くしてくれて、少しずつ私の後悔ばかりが積もる世界は明るくなった。
ーーー“自分誤魔化してるようなお前が、本当に伝えたいことが伝えられるわけないだろ?”
「………怖くて、逃げてしまう私の弱さを聞いてくれた。誰にも聞こえないと思っていた、私の声に……っ、耳を傾けてくれて……」
ブーイングの声は数を増して思わず目を伏せる。
だけど、ここで逃げたりなんかしない。



