イベント実行委員と書かれた腕章をつけた女の人が、ヒソヒソと声をかけてきたから頭を下げて謝った。
「とにかく、次はアナタの番だから……っ、スピーチはやってもらうわよ!?」
「………はい、」
その熱に負けて返事はしたけれど、実際、椎名くんは来ていないし。
遠く離れた体育館の扉が開く気配もまるでない。
「次は前年度創立記念祭の王子に輝いた椎名楓くんの代表者の方、お願いします!」
「……っ、」
隣の女の子がものすごく嫌そうに私にマイクを渡す。
真ん中の通路を分けて椅子に座る大勢の生徒達が、私を見て驚愕に満ちた視線を送ってくる。
「ちょっ、ちょっと!不気味ちゃんが、椎名くんの代表者!?」
「嘘……、もしかして、王子が参加してないのって呪いのせい?」
「黒魔術にかけられたから……?」



