椎名くん………。

今、私は椎名くんのことばかりで。

椎名くんに今、何もしてあげられないけれど。


私は、どうしようもなくーーーー。


もう伝えることの出来ないであろう想いを書き残して、黒魔術だと怖がられてきたノートに想いと供に静かに閉じた。



「ーーースピーチ代表者の方は体育館へと集まってください」



スピーカーから流れる声に私は席を立つ。

きっと肩を並べることはないだろうけど。


不本意にも、今年もナンバーワンプリンスとして選ばれるであろう、現代の王子様のPR代表者として、私は空き教室をあとにする。