いよいよ限定イベントが始まる時間が近づいて、お化け屋敷の片付けを終えたみんなが空き教室を出ていった。


私は、結局最後の最後まで書くことの出来なかったPR用紙を見つめたまま、戻って来ることのなかった椎名くんのことを考えていた。



机には、私の作ったお手製名簿。

椎名くんと話すきっかけになった呪いのリストと呼ばれたノートを、今は以前にも増して大切に思う。


その、椎名くんの名前のところに。


私は冠を乗せた椎名くんの似顔絵を描いて、その絵心のなさとクオリティの低さに自分でも悲しくなる程、笑いが零れる。


こんな絵を見たら、「下手くそ」なんて、怒られてしまうかもしれない。