「楓が来てくれて嬉しい……もしかして、月城さんの、おかげかな……?」



月城……。

その名前に反応したオレを見て紅葉は続けた。



「わたしの絵を綺麗って言ってくれたの。それに、ずっと逃げてきたわたしに、自分を守りたいのはみんな一緒だって話してくれて………」


「………月城が?」


「うん。でもね、大切なのはもう一度、向き合うことだって……」


「っ、」



その言葉は、精一杯、月城もオレに伝えた言葉で。



「楓が教えてくれたって言ってたよ?」

       
「……、」


「あの子のこと怖いって思ってたんだ、わたし。だけど、全然怖くない。気づいたら、隣にいて……わたしの背中を押してくれたんだよ?」



月城はそうやって、言葉がどれだけ相手を傷つけるか、でもその言葉は、きっと伝わるってことも知っているヤツで。



「楓は?どう思う……?月城さんのこと」



オレは、月城のことをーーーー、