美術室の前まで辿り着けば廊下の壁の上を見上げて、誉め言葉を残していく数人の生徒達。
同時、オレも誘われるようにゆっくりと見上げた。
額縁に飾られた絵。
誇らしげに、どこか希望に満ちているその絵を視界に入れた途端、凍りついたはずの心が溶けていく。
それは、君が描いた絵だとすぐにわかったから。
彩る色は紅葉を鮮明に描いていて。
そして、その絵の名前を目にしたオレは、呼吸すら忘れてしまう。
「………楓?」
弾けるように美術室の入り口へと顔を向ければ、そこには驚きとしか言い様のない表情をした紅葉がいた。



