「今朝……紅葉に会いに行ったら、美術室の廊下に絵が飾られてた」
「……、」
「すげぇ綺麗でさ。絵のことなんかよくわかんねぇけど、見てるだけで……紅葉が描きたかった絵って、こういう絵なんじゃないかって思った」
「うん……」
だってその絵に籠められた思いは、きっと、たった一人のことを思って描かれた絵だから。
「……“もう、様子を見にきてくれなくていいよ”って。“大丈夫だよ”って紅葉に言われて……」
ああ、そっか……。
国崎くんはそうやって、国崎くんなりに三条さんのことを気にかけていたんだね。
「でもオレは、どうしても楓にもあの絵を見てほしい。あの絵は、紅葉が自分で描いた決心みたいなもんだから」
「私もそう思うよ。だから、椎名くんにも見てほしい……」



