「執事様………!」
興奮冷めやらぬ舞ちゃんの言葉通り。
「………着なれない服って、なんか落ち着かないね。俺が着ると変だよな?」
黒のスーツにカマーベスト……。
そう言って照れ笑いをしてみせた梶先輩の手には執事らしく白い手袋までしっかり。
「そんな……梶先輩、とても似合……」
「お似合いです!」
え……。
ま、舞ちゃん………?
「本当?どうもありがとう」
「わたし、二年の正木舞と申します……好きな男性のタイプは執事様で……」
完全に乙女モードで梶先生に挨拶する舞ちゃんを、私と国崎くんが困惑気味で見つめていれば。
「月城と同じクラスなんだね。席も空いたし、大役を努めた月城と一緒に楽しんでってよ?」
「は、はい………!」
さりげなく気を遣われた私をよそに、「先に行ってるから公花達も早くね!」と、弾んだ声と供に梶先生と舞ちゃんは執事喫茶へと入っていく。



