「さすが、不気味役だけあるんじゃねぇの?」
「……すみません。仰る通りです」
いたたまれず視線から逃げるように俯いた。
“不気味ちゃんが屋敷から脱走してきた”
“誰も遊んでくれなかったらだよ……”
ヒソヒソとそんな声は飛び交っている。
「………ちょっと!公花!早く早く!」
「えっ、」
「席が空いたからって、執事様が!」
「ま、舞ちゃん……?」
執事喫茶の入り口から戻ってきた舞ちゃんはふわふわと頭にお花が飛んでいるように見えてしまう。
「“お嬢様”って言われてしまったわ……もう、素敵!次は執事様との恋愛小説でも買ってみようかな?ねっ?」
「………」
お嬢様……って、舞ちゃんは既にお嬢様だよ。



