「ーーー私と………遊んで?」



暗闇の中、手をかけて這うように声を出せば。



「…………ぎぁあああああっーーーー!!」


「……、」



屋敷の中に響き渡る男子生徒の悲鳴。

舞ちゃんのアドバイスや練習の成果もあり男の子にまで怖がられてしまう私の役って、一体……。


あの後、ノートを届けてくれた椎名くんは何も言わずにこの教室を出ていって、再び扉の後ろに待機するしかなかった私は溜め息と同時に胸が痛んだ。



そうしているうちに始まった創立記念祭。


怪我防止のため足元を照らす程度の濁ったライトがついた中を、不気味ちゃん役の私が参加者に手を伸ばせば、恐怖におののく悲鳴があがる。



参加者が名前を消しては悲鳴の連続……。

出口へと辿り着けたのはまだほんの数人らしく。


どんなお化け屋敷なんだ、と押し寄せる人で、私も休憩する暇をもらえないくらい。