今まで以上に張り切っている舞ちゃんは、教室内で緊張に襲われつつ待機している私の隣で笑顔を咲かせる。


そして、人だかりの出来る廊下を覗くと、再び私の前に来てその綺麗としか言い様のない顔を寄せた。



「だって悔しいじゃない?わたしの友達が、不気味扱いされてるんだから!」



唇を尖らせた舞ちゃんはそう言いながら、不気味役の私の髪の毛を手で少し崩して、よりリアルなお化けに近づけようとする。


はっきり、と。

“友達”……と言葉にされた私は嬉しくてたまらなくなる。


こんな風に温かい気持ちにさせてくれるのは、その優しい舞ちゃんが私の友達だからだ。