「公花ーー!そろそろ、出番だよ!」


「う、うん……」



ついにやってきた創立記念祭当日。

不気味な屋敷と化した教室内で段取りの最終確認をしている私に、舞ちゃんの元気な声が飛んできた。



【絶叫!不気味な黒屋敷】



私のクラスのお化け屋敷の前評判が高かったせいか、既に廊下には多くの人だかりが出来ている。


みんな遅くまで屋敷内の準備や細かい作業をしていたお陰か、その完成度は担任の先生も関心する程。



「……本当に、出口は、あるのか?」


……と。

ひきつった顔で生徒に声をかけた先生は、むしろちょっと怖がってる気さえする。



「ここで公花のことを不気味だって言ってた人達を、とことん驚かせようね!」


「ま、舞ちゃん……」