「だいたい、陽菜に言ってどうするつもり?」


「っ、すみま……せん……、」



ぽたり、と。

頬を零れおちる私の涙が真っ白なままの用紙に染みを作っていく。



「そういうのは陽菜に言っても仕方ないでしょ?」


「えっ、」


「“告白”の相手……間違えないでよね!」


「……告白の、相手」



私の涙で濡れていく用紙を取り上げた春風さんの言葉を、口の中で繰り返せば、いつか言われたような言葉だということに気づいた。


ーーー“大事な相手なら間違えるなよ”


告白は、顔を見て伝えないと、ダメなんだ。