全てを押し殺すように握り締めた拳。 オレの手を包むように紅葉は自分の手を重ねた。 「わたしは、楓を信じるよ」 オレの横に並んだ紅葉が微笑んだと同時。 「……っ、」 自分でも驚く程に涙が溢れ、その微笑みはすぐに滲んでいった。 目を見張って佇んだ先生は、それ以上、何も発することはなく、紅葉を見つめて肩の力を抜いたように思う。 俯いたオレに何も言わずただ肩を並べた紅葉。 その小さな肩が、声を無くしたオレの肩に寄り添っているようで。 どうしてか……もう、それだけで十分だと思った。