その表情が悲しく揺れていた。
幼馴染みなのに、どうして、三人はそんなに傷ついた顔をしてるの……?
不意に、図書室でのことが頭の中に浮かんだ。
まるで出会ってはいけないような二人の空気。
椎名くんの温度を持たない瞳……。
それでも三条さんを視界に入れて、たった一言、その名を口にしていたのは、私の聞き間違えなんかじゃない。
「どうして、椎名くんは三条さんのことを忘れたなんて言うの……お互いに、ちゃんと名前だって覚えてたのに……」
忘れてしまう……。
そんな悲しいことってあるのかな。
つい口を衝いて出た言葉に画集を強く握る国崎くんは勢いよく立ち上がった。
「………オレだって諦めてほしくなかったんだよ!楓が悪いんじゃない!楓のせいなんかじゃねぇのに、いつだって、傷ついてきたのは楓で……あの時だって、ただ紅葉をーーーー」
精一杯……そう叫んだ国崎くんの瞳は、悔しさに満ちていた。



