ーーーガラッ


驚いた私達は開かれた扉に目を見張った。



「あ……、」



私は、そこに現れた人物に小さく声をあげた。

内側にカールされた茶色い髪、印象的な大きな瞳は、私を見てとても驚いている。



「さっ、三条さん!来てくれたんですね……」



そして私が立ち上がると同時、三条さんはゆっくりと図書室の中へと足を踏み入れた。


……けど、なぜかその大きな瞳は私へと驚きをみせたまま。



「……さ、三条さん?」



近づく距離に三条さんが目を見張ったのがわかった。


どうして、そんなに私を見て驚いているんだろう。


三条さんはやっぱり不気味ちゃんと言われている私を見て……と、疑問を並べた次の瞬間に、私は気づく。


三条さんのまん丸な瞳に映っているのは、私じゃないということを。



「楓…………?」



私の後ろにいる、気だるげな王子様の名を口にした。