“友達”……。 温かさに包まれていく心は優しく揺れる。 肩の力を抜くように正木さんのお母さんは大きな息を吐き出した。 「…………早く、学校へ戻りなさい。舞が風邪を引いたら、お父さんも心配するんだからね」 ……と。 「……うん。ありがとう、お母さん」 正木さんの瞳が少しだけ滲んで見えた。 車が去っていったあと、お互いに顔を見合わせれば、自然と笑顔になる。 教室へと戻っていく途中。 繋がれた手の温かさを、私は、ずっと忘れない。