「お医者さんは誰かを救いたいって心の底から思う人がなるものだよ。一番になりたいからって……そんな理由で、目指すものじゃないから」
しっかりと前を見据えて堂々と言い放った。
「な、何を、言って……そんなこと、お父さんが聞いたらきっと……、」
「うん。もちろんお父さんに話すつもりだよ?わたしのことはわたしが決めるからって。それにお母さん……、」
……と。
正木さんは私の手をとって、そっと握る。
なんの迷いもない子供の頃に戻ったみたいに、自然と繋いだ手。
「………友達は選んだりするものじゃないと思う。選ぶこと自体間違ってるよ。だって、友達って自分で見つけるものだから」
その声は、限りなく透明で、どこまでも澄んで聞こえた。



