私がそっと踵を返した瞬間………、
「公花………!」
「っ、」
背中に届いた声に胸が震えた。
“公花”………と。
夢から覚めたように振り返れば……正木さんが走っていて、ただただ驚く私へと真っ直ぐに向かってくる。
「わたしも公花と、友達になりたいの……ほんとはね、ずっと言いたかったの……」
「ま、正木さん………?」
「…………舞!戻りなさい!!」
車のそばから慌てて叫ぶ正木さんのお母さんは、きっと私が友達になることを認めてはくれないと思う。
それでもーーー、
「………お母さん。わたし、友達は自分で決める。もう、お母さんに選ばれるのは嫌なの」
「っ、私は、舞のことを思って……、」
「ついでに言うとね?わたしは、お医者さんにはならないよ?」
「な、何をふざけてるの………!!」
怒鳴り付けられた正木さんは少し悲しそうな笑みを浮かべた。
だけど、次に発した言葉に私さえも目を見張った。



