足を止まる正木さんを強引に車へと連れていくお母さんが、私を見やると険しい眼差しを送る。
……だけど、きっと、大丈夫。
「私、友達になりたい。正木さんと……友達になりたいの」
「……っ、」
友達は選んだり、選ばれたりするものだったかな。
……それは、絶対に違うと思うんだ。
「もっと正木さんとおしゃべりしたり、恋愛小説読んでときめいたり。何気ない会話も、もっと一緒に……私は、正木さんと一緒だから楽しかった……」
一緒だから楽しかったよ。
正木さんと一緒だから、私は嬉しい気持ちになったんだよ。
「……ちょっとアナタ……っ、立場をわきまえてるの!?友達はこちらで選……」
「創立記念祭も一緒に回りたいよ……!きっと楽しいこと、たくさんあるよ!だから、正木さんが来てくれるの、待ってるね……」
ここからはちょっと遠いけど、私の声は、きっと届いていると思う。
鬼の形相をしたお母さんが正木さんを力任せに連れていく。



