決して椎名くんの抱える秘密を知ろうなんて思っているわけではないけど。 ここ数日、図書室で交わす言葉にも、創立記念祭の話にも私は上手く答えられず。 それに対して「お前、挙動不審」なんて言われてしまったり。 そして、正木さんは今日も憂鬱を背負って厚い参考書に目を落としている。 ……結局。 ここ毎日、放課後になると同時、校門付近に停められたお迎えの車に乗り込んでいく正木さんに、お勧めされた幼馴染みくんの恋愛小説も返せていないまま時間だけは足早に過ぎていく。