二人きりの図書室。
返却カウンターに鞄を置いて窓辺へ身体を向ける。
だけど、椎名くんは窓から背を向けてしまって、それ以上外に視線を投げることはなかった。
「昨日、告白出来たのか?」
「うん……ちゃんと、梶先輩の顔を見て言えたと思う。ありがとう……」
「……別に。それなら、練習はもう必要ないだろ。何でここに来たんだよ?」
「……それは、」
窓の外を向いた私と背中を向けた椎名くんの肩。
触れそうで、触れることのないもどかしい距離。
「………図書室に行ったら、椎名くんがいるかもしれないと思って」
ここに来たら椎名くんに会えるかもしれないって。
本当は、顔を合わせたらすぐにでも告白のために練習に付き合ってくれた椎名くんへお礼を言いたくて、私の足はここに向かったはず。
……でも。



