あ……。
思わず声が漏れそうになった。
キャラメル色の髪と夕暮れ時の空が鮮やかなコントラストを描いて、それだけで十分絵になる。
窓辺に肩を預ける椎名の横顔は、やっぱりどこか遠くを見ているように私には見えた。
「…………椎名、くん?」
音をたてないように中に入ると、私の声は聞こえていないみたいに窓の外を見つめたまま。
時々、こうして、どこか遠くを見ている………。
「椎名くん………!」
「っ、」
「ごめんなさい。聞こえてないかと思って………」
私に気づいた椎名くんは微かに驚いたような表情のまま、静かにこっちへ顔を向けた。
「……だから、後ろ姿で決めつけるなよな。確認しろってあと何回言わせるつもりだよ?」
「うん……でも、遠くを見ていた横顔が、椎名くんだったから」
「……、」
「ゆ、雪。降りそうだよね?すごく、寒いし……」



