* * *


騒がしい昼休みの真っ只中。

私は、極度の緊張で廊下の真ん中に立つ足がなかなか動かせないでいる。



「ヒィッ……!!何アレ……っ、不気味ちゃんの銅像が設置されてる!」


「いや……っ、アレ本人だから!見ない方が身のためだよ!」



恐れる女の子の声の通り、石像化したように動けずにいる理由は、今から梶先輩に告白をしに向かおうとしているからで……。



「なに、突っ立ってんだよ?そんなんだから不気味とか言われんだよ、バーカ」


「く、国崎くん………!?」



ヒィ……。

振り返れば、突然の悪魔の君臨です……。



「てめぇ、また逃げやがったろ。あのあと、梶さんから説教されたんだからな?」


「……か、梶先輩に?」 


「不気味と関わってから、ほんっとろくなことがねぇ……!」


「……それはっ、否定出来ないかもしれません……本当に、ごめんなさい」


「っ、違う!謝るな!べ、別に、謝んなくていいんだ……オレは、ただお前に話が……っ、」