つい先程まで、耳を塞ぎたくなる心ない言葉に傷つけられたのは椎名くん自身の方なのに。
それでも、私の過ちに耳を傾けてくれた。
私の過ちを知って、軽蔑の視線も批難の声もあげるわけでもなく、“月城 公花”……という私自身の声を拾ってくれた。
椎名くんの声は、私に優しく届いてるよ。
それを私の言葉で今すぐ伝えたいのに、堰を切って溢れ落ちる熱い涙のせいで声にならない。
「てか、もうオレら二人しかいねぇし」
「……、」
どうして……椎名くんは、そんなに優しいの?
どうして………。
熱を帯びた目の縁をこすって顔を上げれば、滲んだ視界にぼんやり映る椎名くんが笑った気配がして、同時に指先で掬われた涙は、再び温かく流れた。
「って……泣くなよな、」
「……っ、」
「……帰るぞ」
「……はい、」
「おい……、」
「はい……」
「鼻垂れてるぞ……」
「……っ、はい、」



