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「……結局、何一つ伝えられないまま今日まできてしまって。全部、椎名くんの言う通り。見たくない事実に蓋をして、それを開けた時、拒絶されるのが怖かった」
だから、梶先輩に会うのが怖かった。
みんなに声をかける自分が怖かった。
また、誰かの心を傷つけるんじゃないかって。
後悔に濡れた私の泥だらけの足じゃ一歩も踏み出せず、到底友達も出来ぬまま俯く日々を重い足取りで歩んだ。
いつの間にか不気味な存在として知られ、変わることを夢に見ては、その度に自分の弱さに打ちのめされた。
いざ声をかけても、当然逃げられてしまう程、私は下を向いてばかりで。
報いと供にひたすら後悔ばかりが積もった。
……けれど。



