【完】クールな君に告白します




東雲中が到着する声で梶先輩はそっと背中を向けて離れていく。


振り返ることのないその背中には……“背番号7”を、確かに背負っていて。



「あーあ。本当に言うなんて信じらんない」


「ほんと。アンタって、いつも空気を壊すことは得意だよね?」


「全部、“月城さん”のせいじゃん……!」



“月城さん”……、と。

最後にかけられた言葉の意味を知った時、自分の臆病さを呪った。


引き換えに、まるで友達ではないと語る笑みをおとして離れていくみんなの足音だけが、唯一私に残ったものだった。



その後、東雲中との試合は僅かに及ばず、うちの栄中は勝利を手に出来なかった……と、肩を落としていくバスケ部の誰かが呟く声を耳にした。



ーーー今さら許されることじゃない。


一度口から出た言葉は、もう取り返しがつかないことを痛感しても手遅れで。


それでも、どうしても一言謝りたくて体育館まで引き返して来た私は。


外の水道で背番号7の後ろ姿を見つけて走り出す。


……今言わなければ、きっと、二度と言えない。