「未来ちゃんが……っ、わたしより先に梶先輩が好きだって言ってたのに。諦めなきゃ……どうしよう、公花……っ!」
「……そんな。こ、困ることないよ!好きになったことに早いとかそんなのないと思う……!だから、諦めないでほしいよ」
きっと、それはようやく口にした私の本音だったと思う。
好きな人は言ったもん勝ちなところがあった上に、未来ちゃんと同じ人を好きになることは許されない……。
口に出さずとも暗黙の了解といえる空気は確かに流れていた。
「み、未来ちゃんなら、梶先輩とお似合いだよ!美男美女!告白、しちゃえば……?」
教室でのお喋りの時間、昨日私に打ち明けてくれたカスミちゃんの思いがけない発言に、目を丸くすればすぐに目配せをされた。
“絶対に言うな”………と、いう無言の合図。
「……そうだねっ。未来ちゃんなら、梶先輩も断るわけないよ……」
……と、話したこともない梶先輩の気持ちも、本当は応援したいと思ったカスミちゃんの恋心も無視したまま。
未来ちゃんを応援する嘘つきな言葉をかけた。



