金色のイルミネーションに照らされて見えたのは、私のお母さんと同じ歳のくらいの一人の女の人だった。
誰……だろう?
栗色のロングコートに身を包んだその女の人は、もう一度椎名くんの名前を呼んでゆっくりと近づいてきた。
「あら……やっぱり。楓くんよね?」
「……、」
椎名くんを見上げると無表情のまま小さく頭を下げていた。
躊躇いがちに笑みを漏らすその唇は赤いリップが光るけど、口元は強張っているみたいに見える。
ぼんやりと見つめている私へふと注がれた視線に、慌ててペコリと頭を下げた。
「楓くんのお友達かしら………?」
「クラスメイトで……」
ぎこちなく答える椎名くんに「そう」とだけ答える。



