「……は?手が、なんだよ?」
「だ、だから……えと。手が……っ、」
気だるそうに首を傾げるけど、椎名くんの手が私の頬に触れていることは私にとって緊急事態で……。
こんな風に椎名くんに触れられたら動揺するのは当然で、冷静じゃいられない。
「は?」
……と、眉をひそめて離れていく椎名くんの手。
冷静にならなきゃと必死に言い聞かせても、私の言いたいことは全く伝わらず、恥ずかしさに赤面して椎名くんの瞳から目を逸らそうとした。
けど、数回瞬きをした次の瞬間には……。
「な……っ、し、椎名くん……!?」
……ギュっ、と握られたのは、狼狽(うろた)える私の手。



