「……ごめんね、椎名くん。巻き込んでしまって。でもっ、来てくれてありがとう……」
「っ、別に……。どうせ、お前のことだからバカみたいに諦めないで待ってんじゃねぇかって思っただけだ」
「……、」
「それに、正木と話してた時のお前、嬉しそうにしてたろ」
「え……?」
「来れないってこと知らないままだと、お前……絶対へこむんじゃないのか?」
少し長い前髪の隙間から見える目を細めて問いかける椎名くんの言葉に、沈みかけた気持ちが少しずつ晴れていく気がした。
だから、誤魔化すことなく正直に頷いてみせる。
あのまま、正木さんが来れなくなってしまったことを知らずにいたら、酷く重い足取りで家に帰るところだった。



