耳を疑う他ない春風さんの声に、上手く働かない頭を回転させてみても、私にはやっぱり何かの聞き間違いでしかなくって……。


他の女の子達は、「の、呪いがっ!陽菜ちゃん、もう三分経っちゃうよぉ……!!」と。


三分以上、私と同じ空間に滞在するとーーーと、いう黒魔術の呪いの方に気が散っている様子だった。



「……椎名くんっ!お願いだから、答えてよぉ……。陽菜は本気で……好きで。真剣なんだから……、」


春風さんは、私の存在に怯えるも、チラチラと視線を投げたあと、椎名くんを見つめた。


そんなに心配しなくても、春風さん……。


椎名くんはーーークール王子は、私のことなんて知らない上に、話したこともないので大丈夫です、と言えたらどんなにいいか……。