「……月城、お前な。オレは中までは一緒に行かねぇよ。オレが行くと、あのバカの神経逆なでするだけだ」
私、図々しいにも程がある……。
きっと一人じゃ私は来れなかったし、ここまで一緒に来てくれただけでも十分すぎるくらい心強いのに。
「それに、お前があのむちゃくちゃなバカに泣かされるようなことがあれば、走って行ってやるから……」
「椎名くん……あ、ありがとう」
「っ、別に。だから言ったろ。見張りだって。それだけ、だからな……」
空に溶けていく夕陽の下で視線と視線が交わる。
不思議と、怖さとか緊張がすっと消えていく。
「……い、いってきます」
ずっと来たかった場所に私は飛び込むように足を踏み入れた。



