* * *
「……って、お前なぁ。何してんだよ?」
「っ、すみません!でも、やっぱり緊張してしまって……」
国崎くんが悪魔のような笑顔で待ち構えていると思ったら、必然的に足取りは重くなった。
だから、体育館の入り口の扉から見つからないように中を覗いてはそっと身を隠す。
結局、そんな怪しい行動を繰り返しては、入り口から動けずにいるから、椎名くんが不機嫌なオーラを放っているんだ。
「隼人ごときで緊張するなよな」
「……でも、もしかしたら、」
もしかしたら、梶先輩がコーチをしに現れるかもしれない。
中の様子を見たところバスケ部の練習は始まっているけど、梶先輩の姿は見当たらなかった。



