その背中を私はしばらく見つめていた。
いつだって教室では強張っていた表情も、椎名くんの前では自然と力が抜けて、心の中が軽くなっていく。
「あれ?不気味ちゃんって、あんな風に笑ったりするっけ……?」
「……ば、バカ!あの子は、笑った顔が一番不気味なんじゃん!幻覚でも見てんじゃないの?」
聞こえるか聞こえないかの声で、私に向けられる囁き声。
……けど。
俯いたりしないのは、自分のことを前より嫌いじゃないって少しだけ思えるから。
後悔ばかりの私の毎日は、少しずつ、変わっていっているから。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…