「あ……!!」
「不気味の弁当箱だ。わざわざ届けてやったってのに、なんだよその顔は」
「あっ、ありがとうございます………」
お弁当箱の存在にすら気づかずに私は走り去ってしまったんだ……。
お礼を口にするも、明らかに動揺が表れ、少しひきつった顔をしているのが自分でもわかるから、その顔と言われてしまっても仕方ない。
「嘘。隼人ったら不気味ちゃんの私物盗んだの?」
「……ああっ、災いが起きるよっ!」
「でも、返しにきたじゃん!24時間経ってないならセーフ………」
「ガタガタうるせぇよ、お前ら。いっそのこと、本当に呪われるか自分で試してみれば?」
騒がしさを増す女の子達の声が一瞬でピタリと止んだ。
「……もう帰れよ。隼人」
同時に、くだらないと言いたげにウェーブの髪を掻く国崎くんへ発せられた言葉が、静寂な空気を割いた。



