「今までごめんね?陽菜……椎名くんのことが好きでっ、話がしたかっただけなの。だからね、後をつけたりしちゃって……」
「……、」
「でも、もうそういうことも陽菜はしないから……だから、椎名くん?冬休みもし忙しくなかったら……」
「忙しい」
「え……?冬休みだよっ、冬休み。一日くらいっ、陽菜と……」
顔を覗き込もうとする春風さんの声を遮れば、イラ立ちを露(あらわ)に舌を打って、椎名くんは距離をとる。
「放課後も冬休みも忙しい。“練習”とか、月城とかで忙しいんだよ」
……はっきり、と。
椎名くんの声が聞こえるから、私の心の中に広がる雨雲が晴れていくように感じた。



