一年の時に、三年生を差し置いてミスコンーーーである、ナンバーワン・プリンセスに選ばれたという魅力の持ち主。
そして、そんな春風さんにあんな顔をさせてしまう程、冷たく一蹴りしてしまうのは……。
「椎名くん……ひどいよ。陽菜っ、椎名くんのこと、ずっと好きなのに……っ、」
春風さんの目にキラリと光る涙が……。
「……何度も言わすなよ。オレはアンタのこと好きじゃない。悪いけど、放課後毎回オレの後ついてくんの、やめてくれない?」
ーーー椎名 楓(しいな かえで)くん……。
お手製名簿を見なくてもすぐにわかったのは……彼の名前を聞かない日はないからだ。



