戦意なんてものは元から私にはない。
けれど、とにかく今はこの腕の中から解放されることが最優先で……。
「お前も、アイツが好きなのかよ?なあ、不気味。そうなんだろ?」
思ってもみない発言に飛び付くように顔を上げれば、それを心底後悔する程の、国崎くんの凍りついた瞳と目が合った。
……ひんやりと、冷たいものが、背中を這う。
「……、」
好きじゃないと答えればきっと嘘になると思う。
けど、椎名くんとの関係は、少女漫画みたいに運命的なものもなく始まって、恋愛小説のように次第にお互い恋心が芽生えて恋を知る。
そんな、甘い関係とも、ずっとかけ離れているのが現実だ。



