【完】クールな君に告白します




* *


今日はせめて、自分から声をかけてみよう。


……けど、結局。

声をかける前に逃げられてしまうという惨敗っぷりで、放課後の図書室に今日も私は一人でいる。


そして、私の声は届かないけれど、私がここに来たい理由があるから。


この窓辺は、私の特等席だ……。

全開にした窓の先。

少し離れた場所に見える開け放たれた体育館から響くボールの音、そして……。



「まっ、待ってよ!椎名(しいな)くんったらっ……!!」



あっ、あれ……?


私の視線の先に見えるハズの体育館が、突然、女の子の高い声と供に塞がれてしまった。