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今日はせめて、自分から声をかけてみよう。
……けど、結局。
声をかける前に逃げられてしまうという惨敗っぷりで、放課後の図書室に今日も私は一人でいる。
そして、私の声は届かないけれど、私がここに来たい理由があるから。
この窓辺は、私の特等席だ……。
全開にした窓の先。
少し離れた場所に見える開け放たれた体育館から響くボールの音、そして……。
「まっ、待ってよ!椎名(しいな)くんったらっ……!!」
あっ、あれ……?
私の視線の先に見えるハズの体育館が、突然、女の子の高い声と供に塞がれてしまった。



