その頃には不気味な私を好きだなんて噂のお陰で、椎名くんもきっと煩わしいことから解放される。


ただ、そのために付き合ってくれている。



「……じゃあ、あの、椎名くん。また明日……」


「……ああ、」



出来るだけ普通に声をかけて出口へと踵を返す。



ーーー冬休みまであと少し……。


例え嘘でも椎名くんが好きだから告白する。


嘘の気持ちで、練習で告白をして、目一杯伝えたらきっと、あの人にも伝えられるような気がするから。


それは、間違えなんかじゃないよね……。