夜目に、いっそうまがまがしく黒々とそびえる建物。

この町にいくつもあるゴミ処理場のひとつだ。

昼間はもうもうと黒煙を吐き出して空気を汚し、水路には汚染水を垂れ流す。


かつてここには、使われなくなった大きな倉庫があった。

高い塀に囲まれ、閉鎖された空間に廃墟と化した建物と空き地が残されていた。


浮浪者やノラ猫が根城にしていたようだ。


空き地にはなぜか巨大な穴があり、ゴミや、動物の死骸や、自転車や、とにかくありとあらゆるものが不法投棄されていた。