くれなゐ症候群

薄暗くほそい階段を地下におりる。

受付で千香が名前を告げて、代金を支払った。
引き換えに、質の悪い紙に刷られたドリンクチケットを渡された。


「カウンターで、ドリンク一杯ご注文できます。
追加オーダーは、別料金になりますんで」

という言葉を背に、ドアを押し開けて、中に入る。

思いのほか、奥行きのある空間だった。

酒とタバコの臭いと、人のざわめきに満ちている。

一番奥にステージが、その前に客席がつくられている。