「紅葉の紅の字は紅蝶から。葉は葉っぱのように鋭い戦いからそう名付けられたんだって!」


立ってるのもやっとなんだけど…っ。


高松くんは気づく様子もない。


どうする?


正直話すのも辛いんだけどっ。


「紅蝶はみんなが強いから、紅葉は戦いの場にはあまり姿を見せないんだ!ね?すごいでしょ?星南も紅葉にあい…星南っ?!」


何も返事をしない私にやっと気づいたのか、高松くんが振り返った。


あーあ、イケメンで可愛い顔が青ざめちゃってる…っ。


痛む頭を抑えながら、アタフタと慌てる高松くんをみながらぼんやりとそんなことを思う。


「保健室!行くよ!」


動けない私を、高松くんが引っ張ってくれる。


その手は暖かくて大きかった。






「先生!…っていないし!!」


保健室の先生がいないなんて…珍しい。


いつもはいるのに…。


高松くんに引っ張られ、ベッドへと横になる。