「ん?ああ、母さんは料理教えたかったみたいなんだが、父さんが危ないからってやらせなかったからな。星南が一人暮らしするまで何も作れなかったはずだ」


「…過保護ですね」


うん、それは私も思うよ。


「でも私本とか見なくても作れたよ?」


それって結構料理慣れしてるってことだよね?


分量とかも目分量だったし。


「…一人暮らししてる時に誰かに教えてもらったってのが1番しっくりくるがな」


〝誰か〟に…。


一体私は誰に教えてもらったんだろう。


その人は私にとってどんな存在だったのかな?


「まぁ、今は今を楽しめばいいんじゃねぇか?」


「さすがせいさん!!いい事言いますね!」


今を楽しむ…。


そうだよね!


うじうじ悩んだって思い出せないものは思い出せないし!