「あ、あのっ、やっぱりレストランに行きましょう!」


無理に笑顔を作って歩き出そうとしたら、お弁当を持っていた右手が軽くなった。


…え?


「高松くん?」


そこには私からお弁当を奪った高松くんが笑顔で立っていた。


「どうしてレストランに行くの?」


「え、だってみんな手作りとか嫌なのかと…」


「ごめん、そんな風に捉えちゃったんだね」


そんな風に?


ってことは…私の勘違い?


「僕たちは人の手作りになれてないんだ。だから少し驚いちゃった」


高松くんはそう言ってくれる。


でも他のみんなは?


みんな困惑した顔してたよ…?


「大丈夫。自信持って。ほら、せいさんを見て?」


「え?」


お兄ちゃん?


幸助先輩の隣りにいたであろうお兄ちゃんを見ると。


え?!ご、号泣してる?!


滝か!ってくらい号泣していて、でも泣いているのに、その表情はとても嬉しそう。