memory〜紅い蝶と私の記憶〜

「んじゃ、イルカショーに向かいますか」


「「やったー!」」


「高松くんもイルカ好きなの?」


今美鈴ちゃんとハモったのって高松くんだよね?


イルカが好きって素振りしていなかったよね?


「どっちかっていうとサメが好きだよ。だけどイルカはヒーロー見たいじゃん!」


「ヒーロー?」


イルカがヒーロー?


というか、サメが好きだったのね。


…そういえば、サメの写真撮りまくってたな〜。


そういう私も人のことは言えないけど。


「おう!かっこいいしね!」


どきっ。


あーもうっ、本当にやばいって。


自分でも顔が真っ赤になっていくのがわかるっ。


かっこいいのは高松くんの方だ…なんて。


恥ずかしくなくても言えないよっ。


「おっ!始まるっすよ!!」


それから始まったイルカショーは海賊をテーマにしたもので、客席から人質を選んだりと、とても楽しいものだった。


のに、私は左から聞いて右から抜けていく感じで。


高松くんを意識しすぎだっ。