「その人たちがどんな人かわかるか?」


「あっ、特徴がわかったら探せるもんね!」


「そういうこと。星南の前の学校はわかってるから、特徴さえわかったらその周りを探せばいいわけだし」


特徴…か。


黒髪と茶髪の双子に金髪。


その4人には場所は違うけど、紅色のメッシュが入っていた。


これだけでも誰か特定されるだろう。


紅色のメッシュなんて珍しいから。


誰かわかるのは嬉しい。


だけど…なんでかな?


特定してほしくないって。


〝気づいてほしくない〟って。


そう思ったんだ。


だから私は…。


「特徴になるものなんてなかったよ」


そう言ったんだ。


「そ…っか」


「うん…ごめんね?」


「気にすんな。少しずつ思い出せばいい」


そう言ってお兄ちゃんは私の頭を撫でてくれたけど、私の心は罪悪感でいっぱいだ。


罪悪感を感じるぐらいなら嘘つかなかったらいいのに。


そう思うくせに、私は訂正をしなかったんだ。


あの4人の人達を〝守りたい〟って思ったから…。